第36回

結婚して子供ができると、安全度も高くなる!

JAFMate 2018年4月号掲載

編集部:たしかに、24歳までの若い世代では運転経験が長くなっても過信度は上がらず、いちばん若い16~19歳はかえって下がっていますね。若いうちはともかく、基本的に年齢が増すほど運転も落ち着くのでしょうか?

長山先生:そのようです。また、結婚したり子供や親の面倒をみるなど、扶養関係でも安全度に違いが生じます。図2は扶養関係と年齢別に過信度得点を作図したものです。妻や子供、親の扶養の有無で7パターンに分けて比較したところ、扶養者を持たない「独身者」が最も危険度が高く、次に「その他・親だけを扶養している人」の危険傾向が強くでます。妻を扶養している人は安全度が少し良くなりますが、妻と子供、そして妻と親の扶養者はいっそう安全になり、さらに妻と子供と親を扶養している人は最高の安全度を示します。この結果を見ると、結婚して子供ができると責任感が高くなり、自分を過信して馬鹿げた危険な行動をとらなくなるのは明らかです。すなわち、家族に対しての責任度、とくに子供に対しての責任度が「自分を過信して危険なことをしてはいけない」というと安全態度に結びつくということを示しているのです。事故を論じる場合、運転していて事故を起こす人の内面的な背景まで分析して見られることはほとんどありませんが、事故を起こすか起こさないかの背景には、ここに述べたような要因が隠されているのです。

【図2】

長山泰久(大阪大学名誉教授)

大阪大学名誉教授長山泰久1960年大阪大学大学院文学研究科博士課程修了後、旧西ドイツ・ハイデルブルグ大学に留学。追手門学院大学、大阪大学人間科学部教授を歴任。専門は交通心理学。91年より『JAFMATE』危険予知ページの監修を務める。

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