第27回

意外と見えない「フェンス越しの人」。

JAFMate 2017年5月号掲載

編集部:今回は高速道路に乗るため、幹線道路の側道を走っている状況です。先の交差点で右折しようとしたところ、手前の横断歩道を右から渡ろうと人が出てきて事故になりそうになるというものです。右側はフェンスでしたが、歩行者の姿はけっこう見えないものですね。

問題写真

結果写真

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長山先生:フェンスは隙間が多いので見通しがいいと思われがちですが、見る角度によっては意外と見えづらくなります。正面から見ればフェンスの隙間空間が広くなりますが、斜めになればなるほど隙間は狭くなるので、フェンスの向こう側にいる歩行者などは見えづらくなります。

編集部:なるほど。歩行者の服と背景の色が似ていることもあって、歩行者が差している白い傘以外、よく見えませんでしたね。「フェンスだから見える」と思っていると危険ですね。

長山先生:そのとおりです。壁や建物で完全に死角になっていれば、そのぶん注意しますが、なまじ中途半端に見えていると、安全が確認できたと勘違いする危険性があります。フェンスや柵も、必ずしも視界が確保されているわけでなく、一部遮られていることを認識しておく必要がありますね。

編集部:たしかに、大人なら見えても背の低い子供はすっかり隠れてしまうような植え込みもありますね。

長山先生:ありますね、そういう微妙な高さの植え込みも。そのように一部でも視界が遮られている場合、見落としている危険性を忘れてはいけません。今回、道路の右側には「歩行者注意」の黄色の看板が並んでいたので、右側から歩行者が出てくる危険性を予測して、より注意して見ることができますが、そのような注意看板がないと、フェンスそのものへの注意が欠落してしまう危険性があります。

編集部:フェンスそのものへの注意ですか?  

長山泰久(大阪大学名誉教授)

大阪大学名誉教授長山泰久1960年大阪大学大学院文学研究科博士課程修了後、旧西ドイツ・ハイデルブルグ大学に留学。追手門学院大学、大阪大学人間科学部教授を歴任。専門は交通心理学。91年より『JAFMATE』危険予知ページの監修を務める。

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