第26回

歩道を走れる場合も「車道寄りを徐行」!

JAFMate 2017年4月号掲載

長山先生:そのとおりですね。ただ、そもそもこの歩道は自転車が走行できる歩道なのか、たとえ走行できても、自転車の走り方に問題がなかったかどうかも重要な点です。それによっては自転車側にも責任が生じてきます。

編集部:たしかに「自転車は車道が原則で、歩道は例外」ですからね。子供や高齢者、身体障害者は歩道走行が認められていますが、一般的な大人だったら自転車で歩道を走っていること自体、問題になりますね。

長山先生:そのとおりです。正確には、道路標識(左下)などで指定されている場合と、自転車運転者が13歳未満の子供や70歳以上の高齢者、身体の不自由な人の場合、または車道や交通の状況からやむを得ないと判断できる場合のみ、歩道の車道寄り部分を走行することが認められています。

「自転車および歩行者専用」の標識

歩行者と自転車の通行位置を示す標識

編集部:問題写真では「自転車および歩行者専用」の標識は確認できませんが、解答ページの解説写真(右上)には、歩行者と自転車の通行位置を示す標識があるので、この歩道は自転車が通行できるようですね。

長山先生:そのようですね。ただ、歩道通行可であっても、問題の写真を見ると、この自転車の走り方には問題があります。

編集部:写真ではよく分かりませんが、スピードの出しすぎとかですか?

長山先生:それも重要で、歩道はあくまでも歩行者優先で、すぐに停止できる速度(徐行)で走行し、歩行者の進行を妨げる場合は一時停止しなければなりませんが、写真から分る明らかな問題点は走行位置です。先にも申しましたとおり、自転車は「歩行者優先で、車道寄りを徐行」しなければいけないのです。

編集部:車道寄りということは右側になるので、写真の自転車は完全に反対ですね。

長山先生:そうです。歩道の左側を走っていると、今回のように脇道から車が出てきても建物が陰になって直前まで確認できませんが、車道寄りを走っていればお互いの存在を早めに確認できて、衝突を回避できる可能性も高くなります。

編集部:“車道寄りを走る”という規則は、そんな点も考慮されているのですね。でも、このように見通しの悪い脇道の場合、路地の存在に注意して「車が出てくるかもしれない」と考えるしかないですね。

長山泰久(大阪大学名誉教授)

大阪大学名誉教授長山泰久1960年大阪大学大学院文学研究科博士課程修了後、旧西ドイツ・ハイデルブルグ大学に留学。追手門学院大学、大阪大学人間科学部教授を歴任。専門は交通心理学。91年より『JAFMATE』危険予知ページの監修を務める。

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