第20回

バックモニターの死角を長山先生がフォロー!?

JAFMate 2016年8・9月号掲載

編集部:今回はパーキングエリアの駐車場からバックで出ようと、バックモニターの画面を見ている状況です。一見、変わったシチュエーションですが、最近バックモニターが装備されている車は多いので、意外と身近なケースかもしれません。

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長山先生:そうですね。ミニバンやSUVのような死角が大きい車はもちろん、いまの車はセダンでもトランク部分が高くて後方が見づらいので、バックモニターが付いている車は多いですね。

編集部:本当ですね。車によっては後席のヘッドレストも視界を遮りますし、後席に人が乗っていたら、さらに見えづらく、後ろを振り返っても後方の状況は十分確認できませんね。私の車には付いていませんが、会社の車やレンタカーに付いていることが多いので、けっこう使っています。

長山先生:私は自分自身でバックモニター付きの車を運転したことはありませんが、知人のステーションワゴンにはバックモニターが付いていて、何度かその車の助手席に乗せてもらったことがあります。その際、路地からバックで出る機会があり、バックモニターに映らない道路の左側から来る自動車や自転車、歩行者の存在を目視で確認して、運転者に注意喚起する役割を果たしたことがあります。

編集部:長山先生がバックする際の誘導をしたのですか!?  それはすごいことですね。ドライバーがかえって緊張してしまったのではないでしょうか?

長山先生:そんなことはないと思いますよ。バックモニターでは後方は見えますが、後方の左右は確認できませんので、路地からバックする際の運転はかなりたいへんで、私の誘導はかなり重宝したのではないでしょうか。

編集部:そうですね。最近の車には、車の周囲を写したカメラの映像を画像処理して、自分の車を俯瞰して見ることができたり、車の周囲の移動物を検知してくれる装備も出ていますけど、通常のバックモニターにはそのような機能はないので、後方の左右など、バックモニターでも見えづらい部分を確認してくれるのは助かりますね。

長山先生:今回のようにバックしようとする態勢でバックギヤに入れれば、もはやバックモニターだけに注意が集中し、後方を移動する人が通過するまでの時間はそれだけを注意して見ていることになるでしょう。

編集部:たしかに、なまじ人が歩いていると、その人が通り過ぎるまで画面に目が釘付けになってしまいますね。

長山先生:その可能性が高いでしょうね。モニターを見ている時間は数秒あるいは十数秒ですが、その間に状況が変わることがあります。それが今回のケースで、わずかな間に車の前を歩いていた子供が車の横に入り込んでいたのです。でも、その間バックモニターに意識が集中しているので、その子供を知覚(見る)できませんので、その子供の危険を認知することもできません。

編集部:“魔の数秒間”といった感じですね。

長山泰久(大阪大学名誉教授)

大阪大学名誉教授長山泰久1960年大阪大学大学院文学研究科博士課程修了後、旧西ドイツ・ハイデルブルグ大学に留学。追手門学院大学、大阪大学人間科学部教授を歴任。専門は交通心理学。91年より『JAFMATE』危険予知ページの監修を務める。

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