第9回

対向車線の隙間に気づく人と気づかない人

JAFMate 2015年7月号掲載

編集部:今回の問題は、渋滞中の対向車線の間から車が出てくるケースですが、問題写真では出てくる車がまったく見えないので、難しく感じた読者も多かったかもしれません。

問題写真

結果写真

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長山先生:そうかもしれませんね。私もドライバーの立場でこの写真を見たら、初めは「駐車車両があるな。少し右に寄らなければ」とか「左の道からは何も出てきていないな」としか考えないでしょう。ただ、もう少し車が進むと、右側の車列に隙間が空いていることに気が付き、「ひょっとすると、そこから車や自転車、歩行者が出てくるかもしれないぞ」と危険を予知することになるでしょう。

編集部:近づけば、より車列の隙間に気づきやすくなるということですね。

長山先生:そうです。対向車の車列の隙間は遠くからはなかなか気づきにくいもので、近づいていくと初めて少し空いていることに気づき、「なぜだろう?」と考えるものです。

編集部:でも、車が出てくるまで隙間に気づかない人もいますよね?

長山先生:そうですね。同じ状況に遭遇しても、隙間に、①気づく人、②気づいても何も思わない人、③気づいて何か出てくるものを考え、対処しようとする人、の3種類のドライバーがいます。もちろん、安全な運転ができるようになるには、③のドライバーであることが必要です。

編集部:たしかに、いっしょに車に乗って同じものを見ていても、そこから危険を予測できる人と、そうでない人がいますね。運転経験の影響は小さくないと思いますけど、必ずしもそれだけじゃないような気がします、何が違うのでしょう?

長山泰久(大阪大学名誉教授)

大阪大学名誉教授長山泰久1960年大阪大学大学院文学研究科博士課程修了後、旧西ドイツ・ハイデルブルグ大学に留学。追手門学院大学、大阪大学人間科学部教授を歴任。専門は交通心理学。91年より『JAFMATE』危険予知ページの監修を務める。

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