第2回

自転車側は交差点と認識していない!?

JAFMate 2014年11月号掲載

編集部:今回の問題はドライバーではなく、自転車の立場からの問題です。
自転車で交差点を直進するケースですが、ポイントはどこにありますか?

問題写真

結果写真

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長山先生:まず、問題のような小さな交差点では、交差点の存在に気づかなかったり、気づいても問題と感じずに無意識のうちに走ってしまう傾向がありますね。

編集部:交差点であることは、さすがに気づくんじゃないでしょうか?

長山先生:誌面で問題の場面をじっくり見てしまうと、そのようなことは信じられないかもしれませんが、片側1車線の道は自転車にとってわずか一漕ぎで通過できてしまいます。歩道を走っている自転車にとって、ほんの一瞬だけ車道に降りて、すぐにまた歩道を走ることになるので、交差点を通過しているという意識は希薄です。

編集部:たしかにそうかもしれません。問題の場所はわずかに下っているので、一漕ぎすらしないで、惰性で通過できそうですし。

長山先生:そうです。漕ぐこともなければ、なおさら無意識のうちに通過することになります。しかも、問題の場面では、車用の信号機が電柱の陰に隠れていますし、歩行者・自転車専用の信号はかなり右側に設置されているので、信号のある交差点であることも認識しづらくなります。

編集部:信号が正面にないので、初めて通る場合、見落としてしまうかもしれませんね。

長山先生:初めて通る場合もそうですが、最近問題になっている携帯電話やスマートフォンを操作しているような場合、その可能性が高くなりますね。まあ、携帯などを操作しているのは論外ですが、たとえふつうに自転車に乗っている場合でも、交差点や信号があることを認識しづらい状況と言えます。

編集部:交差点であることさえ認識していないなら、今回の「右折車との危険性」を予測するのはかなり難しいですね。

長山先生:まさにそのとおりです。自転車に乗る人は、まず交差点であることを認識し、信号の色が何色なのかを意識化することが大切です。それができたうえで、さらに「右折車が曲がってくる可能性」を予測できることが重要です。

長山泰久(大阪大学名誉教授)

大阪大学名誉教授長山泰久1960年大阪大学大学院文学研究科博士課程修了後、旧西ドイツ・ハイデルブルグ大学に留学。追手門学院大学、大阪大学人間科学部教授を歴任。専門は交通心理学。91年より『JAFMATE』危険予知ページの監修を務める。

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