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2018/06/19

花を擬人化しインタビューすることでその生態に迫る異色の問答集「花暦」


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瀬尾英男 著『花暦 INTERVIEW WITH PLANTS』B6判ハードカバー/120P/1,600円+税(京阪神エルマガジン社)

 ウメ、サクラ、アジサイ、ヒマワリ‥‥日本でおなじみの花の驚くべき生態をユーモラスな問答形式で紹介した異色の問答集『花暦 INTERVIEW WITH PLANTS』。まったく新しいタイプの"花図鑑"と話題を集めた前作『ボタニカ問答帖』(2011年)の続編を、瀬尾英男氏が上梓した。

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[ウメ]写真:斎藤圭吾

粧い(よそお)、貢がせ、毒を盛る‥‥驚くべき花の生態を粋な対話で

 生きとし生けるものは、対話しながら共存していくのが習わしではないだろうか。動物はいわんや、草花を愛でて話をする人もいる。特に花のもつ独特の形や生態は、どことなく人を思わせるものがある。

―ちなみに、名はなぜクチナシと?
「実が熟しても、口を開けないので」
―あぁ、それで口無し、と。
「ええ。数ある説のひとつですけど。でもそんな故事から、碁盤の脚はあたしの実を模した形をしていましてよ」
―ん? それはどうして?
「外野の口出しはご無用、と」
―なるほど、隠喩か。ところで実が口無しなら、タネ蒔きはどうやって?
「いいところにお気づきに。あたし、実をあえて鳥に食べさせますの」
クチナシの実は多角の独特な形状で、中には粘り気のある果肉と多数の種子が詰まっている。この実が熟すと外被がやわらかくなり、鳥がくちばしでつついて中身を食べる。そして種子は鳥のフンとともに排出されて、方々に蒔かれるという寸法だ。

 匂い立つ女[クチナシ]からの引用である。登場する植物は、遅刻する女[フクジュソウ]/飼いならす女[ツツジ]/吸い付く女[ノウゼンカズラ]/騙される男[キク]/見くだす女[カトレア]など24種。粧い、貢がせ、毒を盛り‥‥驚くべき花の生態が、悲喜こもごもの打ち明け話で綴られる。

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二十四節季の花ごよみ

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