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2018/05/12

【名古屋】2018/4/25~7/1
現代アートからモネを再発見する切り口が斬新!「モネ展」

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クロード・モネ《睡蓮》1906年 油彩・キャンヴァス 81.0×92.0cm 吉野石膏株式会社(山形美術館に寄託)

 印象派を代表する画家クロード・モネ(1840~1926)。モネの初期から晩年までの絵画26点に加え、モネの精神を受け継ぐ作家26人の作品が一堂に会した、名古屋市美術館の開館30周年を記念する展示「モネ それからの100年」が、7月1日まで開催中だ。

 移ろう水面の輝き、響きあう色と陰影、永遠に続く風景の一瞬を切り取ったモネの晩年の名作《睡蓮》は、画面を越えてどこまでも続く広がりを感じさせる。オランジュリー美術館に収蔵されている《睡蓮》大装飾画の制作に着手してから約100年。モネの作品は、今日にいたるまで私たちを魅了してやまない。

現代作家の作品から再認識するモネ

 名古屋市美術館がモネ展を開催するのは、今回が4回目となる。今回の展覧会では、日本初公開の《バラの小道の家》を含むモネの絵画26点を存分に堪能できる。それだけではない。サム・フランシス、アンディ・ウォーホル、ロイ・リキテンスタインなど、モネに影響を受けたモダンアートや現代アートと比較することで、彼らの作品を通してモネを再発見し、その魅力を浮かび上がらせる試みが新しい。

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クロード・モネ《睡蓮》1906年 油彩・キャンヴァス 81.0×92.0cm 吉野石膏株式会社(山形美術館に寄託)

 例えば、睡蓮のある水面をファインダーに収めた連作《水鏡》を制作した写真家・鈴木理策は、人の景色の認識が、水に映る景色、水面、水の中という3つの層を行き来してなされていることに気づく。カメラでの表現の限界はそのいずれかにピントを置かなければならないことで、ピントの置き方の違いによって違う事実が見えることを示したのが彼の連作である。「モネは、この3つの層を一枚の絵に同居させている。だから鑑賞者は、自分の記憶の中にある水面を呼び起こすことができる。モネはイメージを描いたように思われるけれど、実は、見ていることを忠実に描いているのだと思いますよ」と彼は考察する。
 モネの《睡蓮》の水面に、私たちは静寂や躍動する移ろいなど、まるで本物の水面を見ているかのような多様性を見つけ、見飽きることがない。その秘密を解くかのような興味深いアプローチである。

形なきものへの眼差し

 重い霧と柔らかな陽光がグレーとピンクで表現された《テムズ河のチャリング・クロス橋》(1903)や霧により対象がぼんやりとしか識別できない《霧の中の太陽》(1904)といった作品でモネが表現したかったのは、特定の物体よりも光や水や大気など、物体を取り巻く「形なきもの」であり、時間や天候の推移に従い、刻々とその相貌を変える自然の姿である。
 同じ手法をドイツの作家ゲルハルト・リヒターの抽象画《アブストラクト・ペインティング(CR 845-5)》(1997)など、「形なきものへの眼差し」を共有する現代作家にも見てとれる。ほぼ一世紀の時間を経ている両者の作品を並べて見ると、モネが「モダンアートの先駆者」と言われるその革新性が浮き彫りになるであろう。

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