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2018/01/27

【2018/1/3/~2/25】
「画は人なり」が信念の画家、
横山大観の生誕150年記念展

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 2018年は、近代日本画の第一人者、横山大観(よこやま・たいかん)の生誕150年と没後60年にあたる。東京の広尾にある山種美術館では、所蔵の大観作品を一挙に公開する展覧会「[企画展]生誕150年記念 横山大観ー東京画壇の精鋭ー」が、2月25日(日)まで開催されている。

 山種美術館の創立者・山﨑種二は横山大観と親しく交流を持っていた。大観の「世の中のためになることをやったらどうか」という言葉が美術館創立の後押しになったという。そういった作家との信頼や関係性がベースとなっている、横山大観と山種美術館のつながりを感じさせる展覧会である。

冒頭の写真:横山大観 《叭呵鳥》 1927(昭和2)年 紙本・彩色 山種美術館

日本画の開拓者として

 横山大観(1868-1958)は、常陸国(茨城)水戸藩士の家に生まれた。1889年、東京美術学校に第1期生として入学。校長の岡倉天心のもと、下村観山や菱田春草らと共に、古画や諸派を学びながら、新たな時代に即した日本画の創造を目指す。春草らと輪郭線を用いずに、色彩のぼかしを多用して空気や光を表す斬新な描法を試みるが、当時それは「朦朧体」と揶揄され、厳しい非難のもとにあったという。
 しかし、大観は逆境のなかでも、新たな表現に取り組み精力的に制作を続け、東京画壇の中心的な存在となっていく。

 展覧会では、第1章として「日本画の開拓者として」と題し、大観の奮闘を、同時代の師や同志たる画家たちの作品とともに紹介。中国・六朝時代の詩人《陶淵明》を描いた屏風や、墨の濃淡の諧調を使い分け光に包まれた竹林の幻想的な光景を描き出した《竹》などの作品は、大観が古典に学び、それを昇華して新たな画題や技法に次々と挑戦した時代の、意欲的な心意気が伝わってくるようだ。

 なかでも《作右衛門の家》は、牧草を刈って家路につく農夫の様子を描いた屏風の名品だ。馬小屋の馬が主人の足音を聞きつけ、耳を立てて待つ様子が微笑ましい。木の葉の自在なタッチは南画を思わせ、色鮮やかな緑色にはやまと絵風の華やかさが感じられる。

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横山大観 《作右衛門の家》 1916(大正5)年 絹本裏箔・彩色 山種美術館

 また、墨の濃淡やぼかしを用いて印象的に描かれた《木兎》や《叭呵鳥》など動物好きだったという大観らしい作品も魅力的だ。

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横山大観 《木兎》 1926(大正15)年 絹本・墨画淡彩 山種美術館

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「画は人なり」

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