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2018/11/07

無印良品が自動運転バスをデザイン! 2019年から実用試験運行を開始

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 良品企画は2018年11月1日、フィンランドにおいて2020年の実用化を目指す自動運転バス「Gacha(ガチャ)シャトルバス(仮称)」に車体デザインを提供したことを発表した。

 Gachaシャトルバスとは、自動運転技術の研究開発を行うフィンランドの企業「Sensible4」がヘルシンキ周辺の3都市(エスポー、ヴァンター、ハメーンリンナ)のサポートを受け開発を進めている、世界初のあらゆる気象条件下でも機能する自動運転バスだ。

 なぜフィンランドで自動運転? しかもなぜ無印良品が? と思った方は鋭い。まず、なぜフィンランドなのかと言うと、それは人間が暮らす生活環境でもっとも過酷な地域のひとつだから。

 いま販売されている多くの自動車がそうであるように、電気自動車や自動運転車であっても、実用化の前にあらゆる気象条件下での走行が可能であることを証明する必要がある。だが、大雨、霧、雪といった過酷な自然環境の中ではうまく可動しないことが少なくない。そこにあってSensible4社は、あえてその開発地に北極圏を選んだというわけだ。

 しかも驚くべきことにフィンランドは、法律上公道を走る乗り物に必ずしも運転手が乗車している必要がなく(!)、自動運転車の実証実験がしやすい環境にあるというのも挙げられる。

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 一方、海外では「MUJI」、日本では「無印良品」として展開する良品企画が、なぜ今、自動運転バスのデザインを手掛けたのだろうか?

 その理由は、同社がこれまで主戦場してきた個人や家庭の枠を超えて、地域のコミュニティひいては都市部におけるさまざまな課題について提案・解決したいという同社の考えにあるようだ。

 例えば、2018年1月に中国・深センで開業した同社初のホテル「MUJI HOTEL SHENZHEN」もその一例と言えるだろう(日本では東京・銀座に2019年、ホテルを開業予定)。かつての業態とは違うカタチで、無印良品の考える「感じ良いくらし」を実践しようとしているのだ。

 そしてこのGachaシャトルバスも、そんな同社の考えの延長線上にある。

 Sensible 4との共同プロジェクトがはじまったのは、2017年だったという。Gachaシャトルバスの全天候型という特長に加え、個人所有の車ではなく地域でシェアする公共交通機関としての実用化をターゲットにしている点において、無印良品の考え方と合致した。

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 このバスのデザインでもっともユニークなところは、"前後がない"ということ。つまり前も後ろも顔が同じなのだ。使う側の立場で徹底的に考えたというスタイリングは、シンプルでありつつもコロンとした丸みがなんとも愛らしい。照明とコミュニケーションスクリーンが一体となったLEDのライトベルト、内装に沿ったラウンド型のベンチシートがデザインのポイントだという。 

 ボディサイズは全長4.5×全幅2.5×全高2.8mで、定員は16名(座席数10席、立ち乗り6名)。モーターで4輪を駆動し、最大時速は40km/h。急速充電による満充電で100km以上の走行が可能、とリリースには記されている。

 Gachaシャトルバスの今後の開発スケジュールだが、まずは2019年3月にプロトタイプをヘルシンキ近郊で一般公開したのち、2019年上半期内を目処に、冒頭で紹介したヘルシンキ周辺の3都市で実用試験運行の開始を予定している。

 Gachaシャトルバスがこのままのスタイリングで実用化されることはないだろうが、内燃機関が必要なく、デザインの自由度が格段に高い電気自動車は、今後ますます異業種の参入が増えることだろう。今後も私たちをワクワクさせるクルマの登場に期待せずにはいられない。運転手がいない無人バスという未来世界を想像すると、今はちょっと不気味だが......(いつかは日常になるのだろう)。

2018年11月07日(JAF メディアワークス ITメディア部 秋月新一郎)

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