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2018/10/25

3Dプリンターで学生F1の車体を製造!

 3DプリンターメーカーBigRep(ドイツ・ベルリン)は、学生フォーミュラチーム「Eleven-O-Six」(ドイツ・ハンベルグ)のレース用車体を、大型3Dプリンター「BigRep ONE」で製造することに成功した。

大型3Dプリンター「BigRep ONE」

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3Dプリンターの「BigRep ONE」。横に並んだ人と比べると大きさが分かる。

 「BigRep ONE」は、プリントの品質、進捗を確認できるオープンな造形エリアと1㎥を超える造形サイズの大きさ(縦1005x横1005x高さ1005mm)が特徴の大型3Dプリンター。2016年にドイツデザイン賞を受賞している。 

 3Dプリンターの仕組みは、3DCADの設計データ(STLデータ)をもとにしてスライスし、2次元の層を1枚ずつ積み重ねていくことによって、立体モデルを製作する。したがって、製作物の大きさはプリンターのサイズによって決まっていて、今までは小さな物しか作れなかった。

学生フォーミュラチーム「Eleven-O-Six」のマシン

 「BigRep ONE」の登場によって、今まで実現できなかった大きなサイズのプリントが可能になり、学生フォーミュラチーム「Eleven-O-Six」によってレース用の車体が製作された。「Eleven-O-Six」は、ヘルムートシュミット大学の生徒で結成されたチームだ。

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学生フォーミュラチーム「Eleven-O-Six」が製作したレース用マシン。

 上の写真がそのレース用車体が使われたマシン。カラーリングが渋くてカッコイイ。レトロな見た目だが、よく見ると3Dプリンター特有のシマ模様になっていることが分かる。

 エンジンは、ホンダのバイク用エンジン「CBR600 PC35」(590cc、最大出力80ps/12,500rpm)。車体重量は、247kgで、最高速度は120km/hだという。実際に走行している映像もyoutubeにアップされている。

 学生フォーミュラの車体では、カーボン繊維の中にエポキシ樹脂の接着剤を浸透させた素材(カーボンプリプレグ)を炉で熱して固めて車体を製作する方法が一般的で、3Dプリンターで製作するのは初めての試み。

 3Dプリンターを使うことで、金型を作らずに、パソコンでデザインしたデータをすぐに実体化できるので、従来の方法よりも短時間で車体を製作できるという。

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学生フォーミュラーチーム「Eleven-O-Six」のメンバー。エンジニアリング責任者は、Tom Langholz(トム・ランゴルツ)。

 また、従来の車体よりも3Dプリンターで制作した車体の方が安く、大幅なコスト削減にもなるという。

 「Eleven-O-Six」は、今年出場した学生フォーミュラ大会「Fomula Student Netherlands2018」と「Fomula Student Germany2018」において、どちらも車検を通過し、レースに参加することができたが、残念ながら耐久性がなくゴールすることができなかったそうだ。

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Werner Rennen 2018のDragRaceに出場時の、マシンの後ろ姿。

 チームのメンバーは、「助けてくれる先輩がいない状況で、何にもないところから車を組立てなくてはいけなかったので、シーズンは難しいスタートを切った。しかし、パートナー企業やスポンサー、ドイツ北部にある他のレーシングチームから多くの援助を受け、大会に出場することができた。特にBigRepは、3Dプリンターを提供してくれて、大いに協力してくた」とコメントした。

 さらに、「私たちにとっては、今シーズンは大成功だったし、新しいマシンを開発して、次のシーズンに向けて準備している。今後はもっと良い結果が得られるはずだ! 」と熱い意気込みを語ってくれた。「Eleven-O-Six」の今後の活躍に期待したい。

 「BigRep ONE」の日本総代理店である株式会社イリスは今後、日本の学生フォーミュラに参加する大学や提携会社への支援を強化していくという。

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2018年10月25日(JAFメディアワークス IT Media部 大槻 祐士)

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