ニュース・プラス VWのEV「ID.」のプラットフォームを初公開。EV1000万台普及計画の嚆矢となるか

2018年10月01日 掲載

JAFメディアワークス IT Media部 伊東 真一

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 VGJ(フォルクスワーゲン グループ ジャパン)は9月26日、VWがEV専用のプラットフォーム(シャーシ、写真上)を初公開したと発表した。このプラットフォームは、「ID.」と名付けられた新型EVのもので、EV専用にゼロから設計されたという。

EVはプラットフォームが専用設計かどうかで性能が決まる

 モータージャーナリストの菰田潔氏によると、この「専用設計」というところが今後EVを設計していくときの鍵になるという。車のプラットフォームというのは、新規に作るのがとても手間とコストがかかる。そこで、既存のエンジン車のプラットフォームを流用してEVを作ればコストダウンにつなげられる。メーカーにとって非常に都合がいい手法で、これをコンバートEVという。ところが、コンバートEVのプラットフォームは、エンジンは元よりトランスミッション、燃料タンクなど、エンジン車の都合に合わせて作られているので、EVならではのスペース効率の良さを充分に活かすことができない。今回発表されたのは、EV専用に新たに作られたプラットフォームなので、EVのよさを可能な限り引き出せる可能性が高いのだという。

 それを裏付けるように、VWでは4ドアコンパクトカーの「ID.」で、これまでにない長さのホイールベースと短いオーバーハングが可能になったと発表。これはエンジンがないためだ。モーターをギヤボックスと一緒にアクスルに組み込み、バッテリーを車両のフロア下に搭載することで、広大な室内空間と優れた走行性能を持つに至った。そしてこのEV専用プラットフォームを利用してコンパクトカーからSUV、ミニバンに至るまで幅広い車種を展開していくとしている。

EVシフトし始めたVWのEV戦略

 VWでは「ID.」を2020年に発売するという。その性能は、1回の充電で330~550km走行可能で、充電時間もバッテリー電力量0~80%までを30分以内にする(125kWhの急速充電時)。しかも、この「ID.」をVW「ゴルフ」のディーゼル仕様車と同等の価格帯で出すと明言したのだ。これは日産の「リーフ」と真っ向から勝負する戦略的な価格といえる。さらに「ID.」のプラットフォーム技術を、VWグループのアウディやセアト、シュコダなどでも利用することで、全体で1000万台以上のEVの基盤としていく考えだ。

 VWは"ディーゼル不正"によって傷ついた威信をどこまで回復していけるか。EVに舵を切り始めたVWが、いかに威信回復に真摯に取り組めるかにかかっている。