ニュース・プラス 動画で見る2016年度
JNCAPチャイルドシート
評価ランキング:幼児用編

2017年08月21日 掲載

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幼児型の試験の様子。瞬間的に大きな減速Gが発生したことが、首や手足が投げ出されていることでよくわかる。

 国土交通省と自動車事故対策機構(NASVA)が毎年試験結果を発表している、「自動車アセスメント(JNCAP)」。

 JNCAPではクルマだけでなく、チャイルドシート(CRS)の安全性能評価試験も実施しており、その結果を公開している。平成28(2016)年度の結果は2017年5月に発表された。

 最新の平成28年度の試験を受けたのは7製品。その2では幼児用を紹介する。その1と同様に ランキング形式で紹介する。各製品の試験の様子も動画で掲載しているので、その安全性をご自分の目で確かめていただきたい。


チャイルドシートの種類について

 チャイルドシートは月齢や年齢で区分があり、その1で紹介した乳児用は、新生児~1才ぐらい(体重13kg未満、身長70cm以下)のためのもの。首への負担を減らすため、座席に対してクルマの後方を向いた形で取り付けるようになっている。また新生児用には、横に寝かすベッド型もある。

 そして今回紹介するのが、1~4才ぐらいのための「幼児用」(体重9~18kg、身長65~100cmまで)だ。こちらはシート型ともいわれるように、普通にクルマの前方に向いて座れるように取り付ける。

 また、JNCAPでは現在は評価試験を行っていないが、小学校に上がるぐらいから卒業するぐらいまでの年齢で利用するための「学童用(ジュニアシート)」と呼ばれるものもある。

 ちなみに、子供は年齢が同じでも身長、体重などの体格差があるため、使用する子供が同年齢の平均的な子供と大きく体格が異なる場合は、身長、体重も考慮して使用するタイプを検討したい。

 たとえば、法律でチャイルドシートの使用が義務化されているのは6歳未満だが、6歳以上でも身長が140cmなければ、幼児用シートを使い続けた方がよい。また、6歳以上は大人用のシートベルトを使用と説明しているホームページなどもあるが、シートベルトは身長が135~140cm以上の大人を守るように設計されており、それ以下の身長の人が使うと首にシートベルトがかかるなど危険が大きい。6歳以上のジュニアシートは義務化されてはいないが、子供の安全のためには必ず使うべきである。

 

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CRSを座席に装着した際のイメージ。左が乳児用で一般的な後ろ向き型。中央は乳児用では少数派のベッド型。この2種類はその1で紹介した。右が今回紹介する幼児用。装着を間違えないようにしたい。

現在の製品は乳児・幼児兼用が多い

 なお、現在のチャイルドシートの多くは、乳児用と幼児用を兼用しているものが多く、座席への装着の向きを変えるなどして使用する。同じ製品でも、乳児に使う場合はクルマの後方へ向けて座席を装着し、幼児用では前方に向けて装着するのである。

 よって、着座させる乳幼児の月齢や年齢、さらには身長や体重などもよく見て正しい向きで使用してほしい。

幼児用はどんな試験が行われる? その試験項目は?

 試験内容は乳児用と同じで、大別して「前面衝突試験」と「使用性評価試験」の2種類がある。前面衝突試験が、そのCRSの安全性能を評価し、使用性評価試験は簡単・確実に正しく使いやすいかどうかを評価する。

 前面衝突試験は台車に固定された試験用シートに子どもダミーを乗せたCRSを取り付けて行う(ダミーは身長94.5cm、体重15.5kgの幼児用「Hybrid-III 3YO」を使用)。台車は停止状態から時速55km(国の安全基準速度の1割増し)になるよう、急激に打ち出す。それによって、クルマが前面衝突した場合と同様の衝撃を発生させるというわけだ。

 そして、そのときのCRSの取り付け部などに破損があるか否かを確認したり、ダミーの頭部や胸部にどの程度の大きさの加速度がどの方向に生じるかなどを計測したりするのである。試験の様子は、製品ごとに動画も掲載したので、ぜひご覧いただきたい。

 幼児用の評価項目は以下の4項目となる。

破損の状況:衝突による本体に破損が生じるか否か
胸部に受ける力:衝突によって胸部に生じる力(合成加速度)の大きさ
頭部の移動量:衝突時に頭部が前方に移動する量
頭部に受ける力:衝突によって頭部に生じる合成加速度の大きさ
(これらに加え、衝突時のダミーの「胸のたわみ」のある・なしも確認される)

 そして各項目は◎、○、×の3段階で評価される。4項目すべてが◎だと「優」、4項目中3項目が◎で1項目が○なら「良」、1項目でも×があったら「推奨せず」、そしてその3段階に当てはまらない場合(例えば◎と○が2項目ずつなど)は「普(普通)」と評価される。

使用性評価試験は5項目を評価

 使用性評価試験も乳児用と同じで、専門家が評価を行い、5項目それぞれ5点満点(パンフレット上ではレーダーチャートとして記載されている)。平成26(2014)年度までは5項目の平均点が発表されていたが、平成27年度からは25点満点の合計得点が発表される新方式となった。

取扱説明書など:説明文のわかりやすさや問い合わせ先などの記載に関して
着座のさせやすさ:ハーネスやバックルなどの扱いやすさなど
クルマへの装着性:座席への固定の確実性やCRSの回転防止機構の有無など
本体の構造:リクライニングなど可動機構などの操作性やシートカバーの取り付けの確実性など
本体表示:取扱説明書を見なくても、本体だけで確実に座席への装着などの操作を行えるよう配慮されているかなど

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まずは幼児用1位と2位!