ニュース・プラス 大津波の仕組みが見えてきた!
JAMSTECと香川大学が、
琉球海溝の調査結果を発表

2016年08月15日 掲載

琉球海溝の沈み込み帯では固着が弱い

 さらに、今回の研究により、八重山地震の震源域の詳細な構造と、そこでの現在の地震活動が初めて判明。

 その結果、琉球海溝沈み込み帯ではプレート境界の浅部から深部まで固着が弱い領域の方が多いことが明らかとなり、固着域(プレート間が強くくっつき地震時に大きくすべる領域)は存在しないと考えられると結論づけられたのである。

 このような場所では強い地震動を引き起こすタイプの巨大地震は起こりにくいと考えられるという。

 しかし、一方で巨大津波をもたらす津波地震はプレート境界および分岐断層で発生しやすい環境にあると考えられるとする。

NP160812-02-04.jpg

画像5。琉球海溝南部の構造。(a)と(b)は、音響波を海中に放射して、海面まで返ってきた反射波の時間や振幅などを利用して地質構造を調べる「反射法探査」によるイメージ。(c)は、同じく音響波を用いて、海底に展開した海底地震計でその音響波と地中から屈折してきた地震波を記録して解析する「屈折法探査」で得られたイメージ。黒線を堺に右側がフィリピン海プレートで、左側がユーラシアプレート。境界の赤星は、画像3(c)の赤星と同じ低周波地震の発生域。

琉球海溝全体の地震に関する構造的要因はまだ不明な点が

 これらの成果は、今後、琉球海溝での巨大津波の発生機構を検討する上で重要な知見となるとしているが、琉球海溝全体にわたる地震活動の特徴とそれを支配する構造的要因については、まだ不明な点が多く残されている状況だ。

 そして南海トラフで将来発生することが予想されるプレート境界型巨大地震が、琉球海溝側にどのように伝播するのかを検討するためにも、琉球海溝から沈み込むフィリピン海プレートの詳細な3次元形状モデルを構築することが必要とした。

 共同研究チームは今後も、「南海トラフ広域地震防災研究プロジェクト」の下、琉球海溝における観測調査を継続し、低周波地震を含む地震活動の実態解明を目指すと同時に、こうした観測研究から地震・津波発生機構を明らかにし、海域で発生する地震・津波に対する防災・減災に貢献していくとしている。

2016年8月15日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)

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外部リンク

JAMSTEC(海洋研究開発機構)
香川大学