ニュース・プラス 大津波の仕組みが見えてきた!
JAMSTECと香川大学が、
琉球海溝の調査結果を発表

2016年08月15日 掲載

深海調査研究船「かいれい」が3か月の地殻構造探査を実施

 しかし、固着が弱いことを確かめるのが、これまでは難しかった。同地域は日本のほかの地域に比べて陸上の定常地震観測がまばらであるという弱点があり、観測が不十分な状況だったからだ。

 そのため、なぜフィリピン海とユーラシアの両プレート間の固着が弱い沈み込み帯で巨大な津波が起きる地震が発生するのか、その仕組みが不明だったのである。

 なお、ゆっくりとしたすべり現象は、南海トラフ巨大地震の震源域周辺でも数多く観測されている。つまり、ゆっくりとしたすべり現象と、巨大地震や津波の発生との関連を明らかにすることは、危惧されている南海トラフ巨大地震への備えとしての重要な研究のひとつとなるというわけだ。

NP160812-02-02.jpg

今回の調査エリアを示した画像2を再掲載。

 そこで、今回のJAMSTECと香川大学の共同研究では、八重山地震の津波波源域を縦断する測線において、JAMSTECの深海調査研究船「かいれい」による地殻構造探査が3か月にわたって実施された。また、石垣島・西表島周辺に設置された海底地震計30台と地震観測点6点も活用された。画像2の白丸が海底地震計だ。

 集まったデータの解析が行われたところ、琉球海溝南部の地震発生帯において合計73個の低周波地震が検出された。画像2(b)およびそれを拡大した画像3(c)の4色の色つき星印がそれである(黒星印を除く)。

NP160812-02-03.jpg

画像3。(a)図は、上下の波形共に実際に今回の調査で記録されたもので、上が低周波地震の波形で、下は通常のもの。上の地震は低周波成分が含まれている。(b)図は、低周波地震(赤)、通常の地震(黒)、ノイズのスペクトルの比較。低周波と通常の地震とでは特徴が異なるのがわかる。(c)図は、画像2の一部、今回記録された73個の低周波地震の震央が記録された部分を拡大したもの。4色は、それぞれ発生した時期と場所が異なるグループであることを示す。

→ 次ページ:
低周波地震が発生している領域(深度)が判明