ニュース・プラス 巨大隕石の落下で多数の生物が絶滅。
2億1500万年前の大カタストロフの証拠を、
熊本大学などが発見

2016年07月22日 掲載

 また、コノドントに関しては、カンブリア紀から約3億年にわたって生息していたが、この三畳紀末の大量絶滅で姿を消した。マクガニアンの隕石落下の影響を受けて種数が減り、そこに海洋無酸素化が起きたためにさらに種が減っていき、最後に大規模な火山活動がとどめを刺したという流れのようである。

 それからアンモナイトも隕石衝突で大幅に種数を減らした。そして、海洋無酸素化と大規模な火山活動で種数を減らしたが、それらを生き延び、完全に地上から姿を消したのは恐竜と同じで白亜紀末の大量絶滅のときだ。

NP160722-01-08.jpg

放散虫、コノドント、アンモナイトの種数が、隕石の落下で減っているのがわかる。熊本大学のリリースより抜粋。

 共同研究チームは今後、世界各地の三畳紀末の地層から、隕石の落下によって形成される地層の「インジェクタ層」を探索し、さらにどのような生物が落下によって絶滅の影響を受けたのか研究を行っていくとしている。

 同時に、隕石の落下が地球環境に与えた寒冷化や酸性雨など、さまざまな影響についても、地球化学的な視点から研究を進めていく予定とした。

近い内に次の巨大隕石が落下してくる心配は?

 1億年に1回のチュクシュルーブ・クラスの巨大隕石の落下の確率。恐竜絶滅から約6600万年が経過しており、確率的には徐々に高まっているといえる。

 ただし、キロメートル単位の巨大隕石は発見しやすいので、今のところは当分、地球を直撃する巨大隕石や小惑星はない。

 逆に怖いのが、非常に発見しにくい、それ以下のサイズのもの。実際、ロシアのチェリャビンスク隕石は完全にノーマークだったのだ。

 仮にその10倍程度の150~200mクラスでも、現在の観測態勢や望遠鏡の性能では相当地球に接近するまで発見するのが難しい。また、地上の望遠鏡のみの観測だと、太陽方向から接近してきた場合は直前までほぼ発見できない可能性もある。

 17メートルですらあれだけの破壊力を持っていたことからわかるように、その10倍もあったら、さすがに人類全滅はないにしても、都市を直撃するようなことになれば大惨事は免れ得ない。大洋に落ちた場合、多数の沿岸地域が津波による大きな被害を受けるだろう。場合によっては、一国が地図から消し去るようなことだってあり得るはずだ。

 近年、巨大隕石の脅威から地球を守るべく、日本を含めて各国の天文台が協力してスペースガードとして観測態勢を敷いているが、それでもまったく不十分だという。

 あまりにもスケールが大きすぎて、自分とは無関係に思えてしまうかもしれないが、人類の未来と毎日の暮らしを守ることを考えれば、もっと本腰を入れるべきテーマなのではないだろうか。

2016年7月25日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)

関連記事

意思を感じさせるロボット!? 「機械人間オルタ」未来館で無料展示
オーストラリアに歩いて行ける? 2億5000万年後の地球の姿を、JAMSTECがシミュレート
軍事レベルの最新鋭レーダーと世界5位のスパコンで、ゲリラ豪雨を予測可能か?
世界5番目の月着陸国に入れるか? JAXAの月面着陸計画がスタート
スズキが月面探査レースに参戦! チーム「HAKUTO」と契約

外部リンク

熊本大学
海洋研究開発機構(JAMSTEC)