JAF Mate Neo くるナンデス

2018/01/14

【菰田潔の、目から鱗のタイヤの話】3
誰もが気になる
タイヤの寿命・交換タイミング

保管の仕方でタイヤの寿命が変わる?

 常時炎天下にさらされる状態ではゴムの劣化は早くなるから、タイヤ単体での保管の仕方も注意しなくてはならない。特に冬タイヤを夏に保管する場合には要注意だ。

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 公園に遊具として置いてあるタイヤが炎天下では温度が上がっていることでも想像がつくだろう。55℃で2週間だと1年分劣化し、65℃では1週間で2年分劣化するというデータがある。さらに75℃では4日で1年分劣化する。だから本来10年の寿命があっても、保管条件によってはその寿命が大きく縮まってしまうのだ。

 逆に25℃以下の日が差さないところにおいておけば、最新のタイヤは何年経ってもほとんど劣化しないこともわかっている。野菜倉庫のように冷涼で温度が一定で、かつ直射日光があたらない環境がタイヤにとっては快適な場所なのだ。トレッド面を爪の先で押し込んでみて、ゴムが硬いようなら劣化している証拠。10年経っていなくても使わない方がいいだろう。

 タイヤに傷がある場合には、溝があっても、新しいタイヤでも使わない方がいい。走っているからある程度の細かい傷はつくが、深い傷は注意が必要だ。
サイドウォールを傷めるのは、縁石に乗り上げたときのスピードが高かったときだ。リムと縁石の間にゴムが挟まってサイドウォールを切ってしまうことがある。すぐに空気が抜けない程度の傷でも中のカーカスと呼ばれる繊維が切れていたら走行中にバーストする危険性もある。タイヤ内の圧力でコブのように膨らんできたら危険な状態だ。

偏摩耗

 偏摩耗とはトレッド面が均一に減らないことをいう。外側だけが減ったり、内側だけが減ったりする。最近のクルマは安定性を高めるためにアライメント(サスペンション調整によって変わるタイヤの微妙な向きや角度)がネガティブキャンバー(ハの字)になっているので内側が先に減る傾向がある。

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右側は溝がまだあるのに左側は金属のベルトが見えるほど減っている。一見偏摩耗のようだが、正常な範囲の減り方。もちろん摩耗限界は超えている。最近はネガティブキャンバーによりこんな減り方が増えている。

 4輪または2輪がこの状態になるのは大きな問題ではないが、1輪だけが、内側だけか外側だけの摩耗の場合にはアライメントが狂っている可能性がある。このケースではタイヤを交換するだけでなくアライメント調整も必要になる。

2018年1月14日(モータージャーナリスト 菰田潔)

菰田潔(こもだきよし):モータージャーナリスト。1950年生まれ。 自動車レース、タイヤテストドライバーを経て、1984年から現職。日本自動車ジャーナリスト協会会長 / 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員 / 一般社団法人 日本自動車連盟(JAF)交通安全・環境委員会 委員 / 警察庁 運転免許課懇談会委員 / 国土交通省 道路局環境安全課 検討会 委員 / 一般社団法人 全国道路標識・表示業協会 理事 / NPO法人 ジャパン スマート ドライバー機構 副理事長 / BMW Driving Experienceチーフインストラクター / 運送会社など企業向けの実践的なエコドライブ講習、安全運転講習、教習所の教官の教育なども行う。

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