JAF Mate Neo 長尾智子のお菓子風土記

2017/09/14

第10回
休日は人形焼片手に日光散歩
●日光人形焼

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誰もが知っている観光地である日光で、こんなに立体的でくっきりと彫りの深い人形焼に出会うとは思っていませんでした。人形焼だけに、懐かしさもあるお菓子ですが、昔からあるものというには何かが違う。その違いは何かといえば、素朴でありながら考えがあって作られている感じとでもいうのか、要は"可愛らしい洗練"ということでしょうか。

東照宮の三猿をモチーフにお菓子を考案するとなると、どうしたって可愛らしくなる以外ないと言ってもいい、動物の仕草が決め手の、老若男女に愛されるものになるでしょう。
動物や人物をモチーフにするのは、日本人の得意とするものです。
鳥獣戯画に若冲と、遡れば随分と昔から慣れ親しんできた手法は、獣や虫、はたまた野菜のような植物までもが様々に表現されてきました。
それを、現代の漫画やアニメなどのルーツとする説もありますが、さほど間違ってはいないのかもしれません。いずれにせよ、身近な人間以外の存在がユーモラスに描かれ作られるのは、長年の日本人好みな表現方法です。
人形焼は、たい焼きやどら焼きの仲間と言える気がします。たい焼きはなぜか魚の形、どら焼きは、丸いパンケーキ2枚の間にあんこを挟んだ、極めて単純な形をしていますが、こんがりと均等においしそうな焼き色は、人形焼に通じる微笑ましさがあります。つまりは、ちょっとした配合や形の違いが、工夫次第で全く違った雰囲気のお菓子になるという証拠のようなもので、それぞれの楽しさが長い間の人気の秘密なのではないかと思います。

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みしまやは、日光彫の三島屋の長男、中山圭一さんが4年前に開業したお店。日光街道沿いの、最近整備されつつある遊歩道のような歩きやすい道沿いにあります。
日光のお菓子の特徴というと、羊羹屋さんが多いということ。福井県と同じく、夏だけでなく冬でも水羊羹を食べること。確かに、日光街道沿いを東照宮へ向かう間には、何軒ものお菓子屋さんがあり、羊羹という文字も多いのです。

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